苺を種から育てたいと考えている方は、きっと「自分の手で一から苺を育ててみたい」「スーパーでは味わえない完熟の美味しさを家庭で楽しみたい」と思っているのではないでしょうか。
とはいえ、苗から育てるのと違って、種からの栽培には少しコツやポイントが必要です。発芽のさせ方や適した時期、失敗しにくい管理方法を知らないまま始めると、せっかくまいた種が芽を出さずに終わってしまうことも少なくありません。
この記事では、苺を種から育てるときに押さえておきたい基礎知識から、初心者でもできる発芽のコツ、手軽に挑戦できる身近な道具を使った育て方まで、わかりやすくまとめています。
これを読めば、時間と手間がかかると言われる種からの苺栽培も、自信を持って始められるはずです。家庭菜園が初めての方でも、育つ過程を観察しながら楽しめる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

💡記事のポイント
- 苺の種の取り方と保存方法がわかる
- 種まきに適した時期や発芽させるための環境が理解できる
- 卵パックやスポンジを使った手軽な発芽方法が学べる
- 苗の育て方から収穫までのポイントを把握できる
苺を種から育てる方法とコツ

- イチゴの種をとって育てる方法
- 苺の種まきに適した時期と気温
- いちごの種から発芽させるコツ
- 苺を種から育てるのは難しい?失敗しないポイント
- いちご種まきに卵パックやスポンジを使う方法
- いちごを種から育てる水耕栽培のやり方
イチゴの種をとって育てる方法
家庭でイチゴを種から育てるためには、まずは新鮮な果実から種を上手に取り出すことが第一歩です。多くの方がスーパーで購入したイチゴを使いますが、可能であれば農薬が少ないものや、家庭菜園向けに販売されている完熟の実を選ぶと安心です。完熟したイチゴは種がしっかりと成熟しており、発芽率が高くなる傾向があります。
種を取り出す方法は、まず果実を縦にスライスして表面の種がついている部分を薄く削ぎます。削いだ果肉は水に入れて、指先で優しくこするようにすると、種だけが自然と果肉から離れます。
このとき、無理に力を入れると種が潰れてしまうため、丁寧に作業を進めてください。分離した種は茶こしなどで水を切り、キッチンペーパーの上に広げて半日から1日ほど陰干しします。完全に乾燥させてから封筒や小瓶に保管すると、カビの発生を防げます。
ただし、種から育てる場合は、苗から育てる方法と比べて実がなるまでに時間がかかることがデメリットです。早くて1年半、環境によっては2年ほどかかる場合もあり、想像以上に根気が必要です。また、果実から採取した種は親株と同じ性質を必ずしも引き継ぐとは限りません。そのため、収穫できるイチゴの大きさや甘さが異なることもあります。こうした不確定要素も含めて楽しめる方に、種から育てる方法は向いています。
これを機に、家庭菜園の一つとして子どもと一緒に種取りから始めると、植物の成長を学べる良い機会になります。種取り自体は簡単なので、初めての方でも安心してチャレンジしてみてください。ただし、保存の際に湿気を含むと発芽率が下がるため、必ず乾燥した場所に置き、数か月以内にまくのが理想的です。
苺の種まきに適した時期と気温
苺を種から育てたい方にとって、種をまくタイミングと気温の管理は成功の大きなポイントです。多くの家庭菜園経験者が推奨する時期は、春先の2月から3月、または秋の9月から10月です。特に春まきは管理がしやすく、日照時間も徐々に長くなるため、初心者にも扱いやすい時期と言えます。ただし、地域の気候によって適期は変わるため、自分の住んでいる地域の最低気温を必ず確認しておくと安心です。
苺の種は発芽に適した温度が15度から20度程度とされており、この条件を満たさないと発芽が大幅に遅れたり、発芽率が低下してしまいます。寒冷地の場合は室内で保温管理をするのが基本です。
例えば、室内の日当たりが良い窓辺にトレーを置き、夜間の冷え込みには段ボールや発泡スチロール箱を被せるだけでも保温効果があります。最近では家庭菜園用の簡易加温マットも市販されているため、寒い時期に種まきをする方には便利です。
一方で、発芽させる際は湿度管理にも気をつけましょう。種をまいた後、土の表面が乾燥しすぎると発芽しにくくなります。かといって過剰に水を与えるとカビが生えやすくなるので、霧吹きで表面を軽く湿らせる程度にとどめます。これにより、種が十分な水分を吸収しつつも、過湿を防ぐことができます。
ただ単に適期に種をまいても、気温が安定しなければ芽は出ません。天候が不安定な場合は、加温設備を活用して温度を一定に保つことが重要です。逆に、気温が高すぎるとカビや病気が発生しやすくなるため、通気性も確保してください。これらの点を守れば、苺の種まきは初心者でも無理なく始められます。
いちごの種から発芽させるコツ
いちごの種をまいたのに芽が出ない、という悩みを持つ方は意外と多いです。発芽の成否を分ける最大のポイントは、低温処理と土の扱い方にあります。苺は冬を越す性質を持つため、種をまく前に冷蔵庫で湿らせた状態で数週間保管して「冬の疑似体験」をさせると発芽しやすくなります。この工程をスキップすると、発芽が極端に遅れたり、全く芽が出ないこともあるため注意が必要です。
冷蔵庫での低温処理が終わったら、種をまくときは土の種類と深さに気を配ります。苺の種は好光性で、光がないと発芽しにくい特徴があります。そのため、土に深く埋めるのは避け、表面に軽く置いてから、薄く土をかぶせる程度にしてください。この方法であれば、必要な光が種に届き、スムーズに発芽につながります。
また、発芽までの期間中は適度な湿度を保つことも大切です。多くの場合、発芽には2週間から1か月ほどかかります。この間、表面が乾燥しないように毎日霧吹きで軽く水を与えます。ただし、土が常に湿りすぎているとカビが生えるので、通気性を良くし、直射日光を避けた明るい場所で管理するのがポイントです。
他にも、種をまくトレーの下に水を張り、底面給水で土全体を均等に潤す方法もあります。これなら、表面を濡らしすぎずに済むため、初心者でも失敗しにくいでしょう。
こうしたコツを押さえれば、苺の発芽は決して難しいものではありません。もし発芽しない場合でも、焦らずに環境を見直し、低温処理の期間や土の状態を再確認してください。地道な管理が発芽成功への近道です。
苺を種から育てるのは難しい?失敗しないポイント
苺を種から育てるのは苗から育てる場合と比べて難易度が高いと言われています。しかし、いくつかのポイントを押さえておけば、初心者でも十分に成功させることができます。特に、種の扱い方、発芽環境の管理、育苗の方法を正しく理解することが大切です。
まず、苺の種は非常に小さく、発芽に時間がかかることを知っておくと良いでしょう。種をまいてすぐに芽が出るわけではなく、低温処理などの準備をしないと発芽しにくい性質があります。この性質を無視してしまうと、芽が出ないまま土の中で腐ってしまうことも少なくありません。
一方で、発芽環境をしっかり整えておけば、失敗を防ぐことができます。温度は15度から20度程度を保ち、土の表面が乾かないように霧吹きでこまめに水分を補います。ただし、水をやりすぎるとカビが発生するので、土の中までびしょびしょにしないことが大切です。
発芽後も注意が必要です。芽が出たばかりの頃は非常に弱いため、直射日光や強風を避け、室内の明るい場所で管理します。育苗ポットに移し替えるタイミングも重要で、本葉が2〜3枚になった頃を目安にすると根を傷めにくいです。
また、種から育てる場合は、必ずしも親株と同じ品質の実が収穫できるわけではないことを覚えておきましょう。品種が混ざっている可能性もあるため、味や形にばらつきが出ることがあります。この点も楽しみの一つと考え、完璧を求めすぎないことが、種から苺を育てる醍醐味と言えるでしょう。
最後に、初心者の場合は一度に大量の種をまくのではなく、少量ずつ試してみると管理がしやすくなります。こうしたコツを踏まえて取り組めば、苺を種から育てるのは決して無謀な挑戦ではなく、家庭菜園の幅を広げる楽しい体験になるでしょう。
いちご種まきに卵パックやスポンジを使う方法
いちごの種まきに市販のポットを用意するのも良いですが、卵パックやスポンジを活用すると、手軽でコストを抑えられるため家庭菜園初心者におすすめです。身近な素材で簡単に発芽環境を整えられるので、試してみる価値は十分にあります。
卵パックを使う場合は、まず紙製のものを選びます。プラスチック製でも代用できますが、紙製の方が通気性が良く、根腐れを防ぎやすいです。パックのくぼみに園芸用の土を少しずつ入れ、そこに苺の種を置きます。深く埋めすぎると光が届かず発芽しにくいため、土の上に軽く置いて、指先でほんの少し土をかぶせる程度にするのがポイントです。
水やりは霧吹きを使って、土の表面が乾かない程度にこまめに湿らせます。卵パック自体が水を含みすぎると破れやすくなるので、下にトレーを敷いて水漏れを防ぎましょう。また、発芽後は根が伸びてきたらパックごと土に植え替える方法もあります。紙製ならそのまま分解されて肥料代わりにもなるので便利です。
一方、スポンジを使う方法も手軽です。キッチン用の無漂白のスポンジを用意し、厚さを1〜2センチほどにスライスします。スポンジを水で十分に湿らせたら、表面に苺の種を置きます。このときも土と同じく、種を押し込まずに表面に置くだけにしてください。
スポンジの場合、発芽した根がスポンジの繊維に絡みやすいので、苗を土に移すときは慎重に切り分けて根を傷つけないようにする必要があります。また、発芽後はすぐに土に移し替えた方が生育が安定しやすくなります。
これらの方法を取り入れることで、専門的な道具がなくても苺の発芽を手軽に楽しめます。コストもほとんどかからないため、家庭で気軽にチャレンジできるのが魅力です。
いちごを種から育てる水耕栽培のやり方
苺を種から育てる方法の一つに水耕栽培があります。土を使わないため、室内でも清潔に管理できるのが大きな特徴です。ただし、苺はもともと土壌栽培が適した植物のため、水耕栽培の場合はこまめな管理と設備の準備が欠かせません。
まず、種から発芽させるまでは一般的な方法と同じく、低温処理をして発芽しやすくしておくと良いです。発芽させる段階では、スポンジやロックウールを使うと便利です。スポンジを小さく切り、水で湿らせてから種を置きます。このときも種を埋め込まず、表面に置く程度に留めてください。
発芽後は、水耕栽培用の容器に移し替えます。自作する場合は、ペットボトルを使うのが手軽です。ペットボトルを半分に切り、上部を逆さにして下部にセットし、苗を固定するネットポットやスポンジを挟んで根が水に触れるようにします。水には水耕栽培用の液体肥料を薄めて使い、定期的に交換して栄養分が不足しないようにします。
水耕栽培は根が常に水に浸かっている状態になるため、酸素不足になりやすいです。これを防ぐために、エアーポンプを使って水に酸素を送ると根腐れを防ぎやすくなります。また、苺は光をたっぷり必要とするため、日照不足が心配な場所ではLEDライトなどの補助光を使うと良いでしょう。
水耕栽培のメリットは、土壌病害を避けやすく、虫の発生も少ない点です。しかし、水質管理を怠ると根が痛みやすくなるため、こまめな水換えと容器の清掃が必須です。初めての方は、まずは少量で試して育成のコツを掴んでから規模を広げると安心です。
このように、苺を水耕栽培で種から育てるのは手間がかかりますが、清潔な環境で楽しめるので室内菜園を始めたい方にはおすすめです。コツをつかめば、プランター栽培とは一味違う苺の育て方を体験できます。
苺を種から育てた後の管理と収穫のポイント

- 苺の種から育てる品種選びのポイント
- 苺の苗を植える時期と適切な土作り
- 苺を種から育てる場合の育成年数
- 種をまいても発芽しない原因と対策
- 苺の苗を上手に育てる管理方法
- 家庭で美味しい苺を収穫するための注意点
苺の種から育てる品種選びのポイント
苺を種から育てる際は、まずどの品種を選ぶかが成功の大きな鍵を握ります。一般に流通している苗や果実から種を取る方法もありますが、家庭菜園向きの品種を最初から種として購入する方が発芽率や育てやすさの面で安心です。特に家庭菜園初心者には、育てやすく病気に強い品種を選ぶと良いでしょう。
日本国内で人気の品種の一つに「四季なりイチゴ」があります。これは名前の通り、一度だけでなく季節を問わず複数回実をつける性質を持っています。そのため、家庭で長く収穫を楽しめる点が魅力です。また、四季なり品種は比較的小型で、プランターやベランダ栽培でも育てやすいため、スペースが限られている方にも向いています。
一方で、大粒で甘みが強い「章姫」や「とちおとめ」といった有名品種も人気ですが、これらは本来、種から育てるよりも苗を購入して育てたほうが形質が安定しやすいです。種から育てる場合、親株と同じ性質が出ないことが多いため、味や大きさにばらつきが出やすい点には注意が必要です。
また、品種を選ぶ際は育成期間も考慮してください。四季なり系は比較的早く収穫できる傾向があり、一季なりの大玉系品種よりも早期に楽しめます。種まきから収穫までの期間を短縮したい方には、早生品種を選ぶと良いでしょう。
こうしたポイントを踏まえ、初めて種から苺を育てる場合は、発芽率が高く病気に強い品種を選び、小規模で試してみるのが無理なく続けるコツです。何種類かを同時に育てて、成長の違いや味の比較をするのも家庭菜園ならではの楽しみ方と言えます。
苺の苗を植える時期と適切な土作り
苺の種から育てて苗がある程度育ったら、適切な時期に植え替えることが必要です。このタイミングを誤ると成長が止まってしまったり、病気にかかりやすくなるため注意が必要です。一般的に、苗の植え付けに適しているのは春と秋です。春なら3月から4月、秋なら9月から10月が目安となります。地域によって気温差があるので、目安はあくまで参考とし、最低気温が5度以下になる時期は避けましょう。
植え付けの前に土作りも非常に重要です。苺は水はけが良く、適度に保水性もあるふかふかの土を好みます。市販の野菜用培養土を使用しても問題ありませんが、自分で作る場合は、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜ、必要に応じて苦土石灰を少量加えて土壌の酸度を中和します。苺は弱酸性から中性の土壌を好むため、酸度が高すぎると成長に悪影響が出ることがあります。
一方で、植える場所の選び方もポイントです。プランターで育てる場合は、日当たりが良く、風通しの良い場所に置きましょう。畑に植える場合は、連作障害を避けるため、3年以上苺を育てていない場所を選ぶことをおすすめします。また、マルチングを敷いておくと、雑草の抑制や地温の安定化に役立ちます。
苗を植え付ける際は、クラウンと呼ばれる株の中心部分が土に埋もれないようにすることが大切です。クラウンが土に埋まってしまうと、腐りやすくなり病気の原因になります。逆に、根が十分に土に触れていないと乾燥しやすいため、根元の土はしっかりと押さえて固定してください。
植え付け後は水やりを丁寧に行い、土が乾かないように管理します。成長期には追肥を少量ずつ与えると、元気な株に育ちやすくなります。こうして適期に正しく植え替えと土作りを行えば、種から育てた苺も無理なく丈夫に育てられるでしょう。
苺を種から育てる場合の育成年数
苺を種から育てる場合、苗から育てるよりも収穫までに時間がかかる点を理解しておくことが重要です。苗から始めれば、翌年の春には収穫を楽しめることが多いですが、種からの場合は苗を育てる時間が必要なため、どうしても年単位のスケジュールになります。
多くの場合、種まきから発芽までに約1か月、その後、本葉が出揃うまでにさらに1か月ほどかかります。この時点でようやく小さな苗になりますが、ここから株が充実し、花をつけるまでには半年から1年ほどを要します。したがって、種をまいてから最初の収穫までには早くても1年半、通常は2年程度と考えておくと無理がありません。
ただし、成長スピードには環境条件が大きく影響します。十分な日光、水分、肥料があれば比較的早く成長しますが、日照不足や水やりの失敗、病害虫の発生があると育成期間は延びます。特に冬場の低温期は成長が一時的に止まることが多く、その間に株が弱ってしまうと翌春の生育に影響することもあります。
一方で、二年目以降は株がしっかり根を張り、花がつきやすくなります。良い花芽がつくことで実が大きくなり、収穫量も増えるため、初年度よりも二年目以降が本格的な収穫期と考えるのが一般的です。
このように、種から育てる苺は即効性よりも育てる楽しみを重視したい人に向いています。手間を惜しまず、気長に世話を続けることで、収穫の喜びも一段と大きく感じられるでしょう。家庭菜園の一環として、子どもと一緒に育てることで成長の過程を観察できるのも大きな魅力です。時間がかかる分だけ、愛着もひとしおですので、ぜひ長い目で育ててみてください。
種をまいても発芽しない原因と対策
苺を種から育てようとしても、芽が出ないとがっかりしてしまう方は少なくありません。発芽しない原因は一つではなく、いくつかの要素が重なっていることが多いです。まず考えられるのは、種の保存状態です。採取した種を乾燥させずに湿ったまま保存すると、カビが生えたり発芽能力が低下してしまいます。種を取り出した後は必ず陰干しして、湿気の少ない容器に入れて保管しましょう。
また、苺の種は低温処理を経ないと発芽しにくい性質を持っています。自然界では冬を越すことで目覚める仕組みなので、人工的に同じ環境を作る必要があります。具体的には、湿らせたキッチンペーパーに包み、密閉袋に入れて冷蔵庫で2〜3週間置くと発芽しやすくなります。この手間を省くと、土にまいても眠ったままの状態が続いてしまうのです。
種をまく深さにも注意が必要です。苺の種は光がないと発芽しにくいため、土に深く埋めてしまうと発芽率が下がります。土の上に置いてから、細かい土をうっすらとかける程度が適しています。このとき、種が流れないように霧吹きで優しく水を与えましょう。
一方で、土の温度と湿度管理も大切です。発芽には15〜20度前後の温度が理想とされ、寒すぎても暑すぎても発芽しません。また、土が乾きすぎると種が水分を吸えず、逆に水を与えすぎるとカビが生える原因になります。表面が乾きかけたら霧吹きで水分を補う程度にして、過湿を避けるのがポイントです。
これらのポイントを踏まえ、失敗が続く場合は一度、種の保存方法から振り返ってみると良いでしょう。面倒に思える低温処理や温度管理を丁寧に行えば、発芽しないという悩みもぐっと減るはずです。
苺の苗を上手に育てる管理方法
苺を種から育てて無事に苗まで成長させたら、その後の管理が収穫の質を大きく左右します。まず、苺の苗は日光を好むため、日当たりの良い場所に置くことが基本です。ただし、真夏の直射日光は葉焼けの原因になるので、必要に応じて遮光ネットを使い、強い日差しを和らげると良いでしょう。
水やりは土の状態を見ながら調整するのがコツです。常に土が湿りすぎていると根腐れのリスクが高まりますが、乾燥しすぎるのも禁物です。目安としては、土の表面が乾いたタイミングで株元に優しく水を注ぎます。葉や果実に直接水がかからないようにすると、病気の予防にもつながります。
また、成長期には栄養補給も欠かせません。定期的に液体肥料を薄めて与えるか、緩効性肥料を株元に置く方法がおすすめです。ただし、肥料を与えすぎると葉ばかりが茂って実がつきにくくなることがあります。目安としては、花芽がつくまでは少なめに、花が咲いて実が膨らむ時期に適度に与えるとバランスが取れます。
病害虫対策も忘れずに行いましょう。苺はアブラムシやダニが付きやすい植物です。こまめに葉裏をチェックし、見つけたら早めに取り除くか、必要に応じて市販の園芸用殺虫剤を使用します。農薬を使いたくない場合は、牛乳スプレーや木酢液を活用する方法もあります。
さらに、枯れた葉や古い葉をこまめに摘み取ることで、風通しが良くなり病気の発生を防ぎやすくなります。こうした小さな手入れを積み重ねることで、苗が健康に育ち、後の収穫量にもつながるのです。大切に手をかけた苗は、収穫時期にしっかり応えてくれるでしょう。
家庭で美味しい苺を収穫するための注意点
家庭で苺を育てる醍醐味は、何といっても自分の手で収穫し、採れたてを味わえることです。ただし、市販品のように甘くて形の良い苺を育てるには、いくつかの注意点があります。まず、日当たりの確保は欠かせません。苺は太陽の光をたっぷり浴びるほど糖度が上がるため、1日6時間以上は直射日光が当たる場所で育てるのが理想的です。
水やりも重要です。苺は水を好みますが、根が浅いため水分が不足しやすく、逆に水が溜まると根腐れを起こします。基本は朝にたっぷりと水を与え、夕方は必要に応じて乾燥具合を見ながら調整してください。特に果実がつき始めた頃は水分不足が味に直結するため、こまめに状態を確認しましょう。
追肥のタイミングも収穫の質を左右します。花が咲き、果実が膨らみ始める時期は特に栄養を必要とするため、速効性のある液肥を週に1回程度与えると甘みが増します。ただし、多すぎる肥料は逆に病気を招くため、規定量を守ることが大切です。
病害虫の対策にも注意が必要です。葉にカビが生えたり、虫に果実が食べられたりするとせっかくの苺が台無しになります。風通しを良くし、雑草を取り除くことで病気の発生を防ぎやすくなります。虫が発生した場合は、見つけ次第早めに取り除くのが基本です。
また、果実が土に触れると腐りやすくなるため、マルチングを敷いて実が直接土に当たらないようにすると良いでしょう。家庭菜園用の黒マルチやワラなどを使えば、果実を綺麗に保ちやすくなります。
最後に、収穫時期の見極めも重要です。苺は真っ赤になった状態が最も甘く、採り遅れると味が落ちてしまいます。完熟を見極めて、食べたいときにすぐ収穫できるのは家庭菜園ならではの特権です。こうしたポイントを守れば、手間をかけただけの美味しい苺が楽しめるでしょう。
苺を種から育てるために知っておきたいポイントまとめ

- 新鮮で農薬の少ない完熟苺を選んで、発芽しやすい種を確保する
- 果肉を薄く削ぎ、水に浸して指先でこすりながら種を優しく取り外す
- 採取した種はキッチンペーパーで水気を取り、風通しの良い場所で乾燥させて保存する
- 発芽しにくい性質を補うため、冷蔵庫で低温処理を行い発芽力を高める
- 種まきのベストシーズンは春の2月〜3月か秋の9月〜10月を目安にする
- 苗床の温度は15度から20度を維持して、発芽が遅れるのを防ぐ
- 苺の種は好光性なので深く埋めず、土の表面に置いて軽く覆土する程度にとどめる
- 霧吹きで表面を湿らせて乾燥を防ぎつつ、土の過湿によるカビを避ける
- 卵パックを紙製のものにして小分けポット代わりに活用すると管理が楽になる
- スポンジやロックウールを使えば、初心者でも水耕栽培の苗管理がしやすい
- 水耕栽培では液体肥料を適切に与え、エアーポンプで根の酸素不足を防ぐ
- 初めての品種選びは四季なり苺や病気に強い系統を選ぶと育てやすい
- 苗は1日6時間以上の日光と適度な風通しが確保できる場所に置く
- 苗を植える土はふかふかで水はけが良く、弱酸性から中性を保つように調整する
- 枯れた葉や雑草をこまめに取り除き、病気や害虫の発生を予防する
- 赤く完熟した苺を見極めて早めに収穫し、新鮮で甘い味を楽しむ
関連記事